『千葉の森の家』官民一体型プロジェクト地域県産材で造る
森を守る。
私たちの住む千葉の木で、私たちの家を造る。
年間棟数20棟。これで、この森を守ることができるのです。

官民一体型『千葉の森の家』プロジェクトが始動

千葉で育った木で家を建てる『千葉の森の家』というコラボプロジェクトが発足しました。地元、千葉県で育った木で家を建てるというプロジェクトです。そこに暮らす人だけでなく、関わる人、地域社会で生活する人にとっても安心でき環境への負荷も少ない住まい。千葉の山と住まい手を繋ぐ官民一体の取り組みが始動。戦後に植林した杉などが伐採期を迎えているにもかかわらず放置されている現状を憂い、地域の山で育った材で家を建てて欲しいと立ち上がったのは、千葉県森林組合でした。そして、そのプロジェクトにより誕生したのが、構造材と床天井なども県産材で造るハーフオーダー住宅『揺蕩』という企画商品です。

対談 talk
  • 株式会社藍舎代表取締役露崎 玲 株式会社藍舎
    代表取締役
    露崎 玲
  • ナトゥアリーベ明石家有限会社代表取締役坂井 克行 ナトゥアリーベ明石家有限会社
    代表取締役
    坂井 克行
  • 千葉県森林組合事業課長磯部 良己 千葉県森林組合
    事業課長
    磯部 良己

私たち千葉県森林組合では、森を守るという原点に回帰し、循環型のトレイサビリティを構築する。
全国初の試みをここ千葉から発信していきたいのです。

千葉県森林組合事業課長 磯部良己

対談

磯部 なぜ千葉県森林組合が「家を建てる」ことで千葉県産の木を流通させようと思い
立ったのかご説明しましょう。私たちが目指すのは、森を循環させていくことだ
から。切るべき木を切り、使うべき木を使い、未来永勃に輪廻する…、これは原
点、 そこに立ち戻ることが始まりだったのです。

市場に出せる木材は植栽から使えるようになるまでに年、50年、60年もの年月
がかかります。林業を考えるとき、目先のことだけではなく幅広い視野に立っ
て考えることが必要なんです。現在山は成熟し、柱にできる木が育っています。
山側にいる人間の意見、我々の思想に賛同してくれる会社を探すために、県内1、
500店もの地元の工務店を 1社1社くまなく回ることを決意したのです。
根底にはやはり山を守ると強い意思があるものですから」。

山の成熟をじっと待って、来るべきその時にこの取り組みに賛同してくれる会社
さんと一緒に組んで仕事をしたかったのです。大手ハウスメーカーではなく、
これから成長していく会社と。

その他にも住民へのメリットがあります。人が手を入れることで、山の崩壊や土
砂災害を防ぐことができます。「山を守る」-『人々の 暮らし、人そのものを守
る』ことにもつながります。

露崎 千葉の森の家プロジェクトは、葉県森林組合からの熱烈なオファーからだったの
です。ぜひその時の熱い想いを聞かせてください。

磯部 1つめは、県産木材の利用に関して、 千葉県の積極的なバックアップが
あったこと。ここ地元で120年の歴史を誇る明石家材木店との出会い。千葉の木
を一番よく知り、低温でゆっくりと3か月もかけて爆す燥技術」という古くて新
しい技術があったこと。この技術があれば、部材としての性能にも秀でることが
できクオリティの高い、魅力ある千葉の木として売り出せると確信したのです。
明石家材木屋が君津にあったことは、我々に大きな自信と勇気を与えてくれたん
です。特に、現在主流の高温乾燥は短時間で処理を終えるが、内部で千割れとい
う細かなヒビ割れを生じさせてしまう。これでは木材を加工する際、構造強度に
も問題が起きます。 かといって昔のように山あいでの自然乾燥には時間がかかる
うえに今度は表面に割れが発生してしまいます。

明石屋さんの爆煙炉は、家を造る過程で生じ る木層や廃材など木質バイオマスを
利用して います。低温でゆっくり乾燥させることで細胞内の水分を均一に抜いてひずみを緩和していくのです。幅射熱作用もあり、芯まで熱が伝わりやすいので形状、寸法の安定した材を提供できるメリットがあります。柱・梁・桁などの構造材など、爆煙処理を施したものは木肌の美しさも際立ち、さらに防腐・防カビ・防犠の効能もあります。 千葉の木の特性を理解し、その魅力を最大限に活かすことができる明石家材木店さんと一緒に家が建てられるなんて本当に喜ばしいことだと思っています。このプロジェクトが広がっていくと嫡しく思います。

そして3つめ、千葉の森に愛着を持ち、森を守り育てることに理解を示してくれる地元工務店があったこと。この3つのどこが欠けても成立しなかった。 今思えば、ものすごいタイミングで出会えた という感じでしたから。

千葉県森林組合のいう「循環型トレイビリティで千葉の森を循環させる」-「千葉の森を守る」という
提案には、地元企業の者として共感する部分が多かったのです。

ナトゥアリーべ明石屋有限会社 代表取締役坂井克行

坂井 地元で長年やってきた者として、千葉県森林組合のいう「循環型トレイビリティで千葉の森を循環させる」=「千葉の森を守る」という提案には共感する部分が数多くありました。現在、外国産の木材はトレイサビリティが明確でないものが多いため不法伐採や薬品処理などリスクゼロというのは難しいんです。それでも安く大量に外材が流通していることもあり、製材屋は今後も縮小や廃業を余儀なくされていくのが実情です。2次産業である製材業界は、年々縮小傾向にあるので、このプロジェクトでぜひ盛り返したいですね。なんせ千葉の山はこれから成熟の時を 迎えるのですから」。

磯部 そして、「循環型トレイサビリティ」 の最後の鍵を握るのは、最終的には消費者で ある建て主さんの理解と愛情だと思います。地域の木を守り育て、そしてその恩恵としての地元の木で家を建てる。全国初の試みをこ こ千葉から発信していくという経緯があるんですよ。補助金もその一つです。

対談

私たちが住む千葉の杉やヒノキ材で私たちの家を造る。
それって最高に幸せなんじゃないのかなぁ。

株式会社藍舎 代表取締役 露崎玲

対談

露崎 僕らのポジションは、この千葉の木の 素晴らしさや森を守るという素敵なコン
セプトを直接エンドユーザーに伝えられるということ。そして地元の木を理解
し最大限に活かした木で、その土地の風土を知る職人が、 元の人の住む家を建
てる。これほどまでに生産者の顔が見える家づくりは他にはないでしょうね。
本物の木で造り手の顔が見える家 づくり。僕らが長年目指してきたものです。
僕は、地元の木で家を建てるのが念願でした。オラんちの『裏山』で採れた杉
やヒノキ材で造った家。私と、私の大切な家族が一生涯住暮らす家です。
これって、やっばり最高じゃないかなって思うんですよね。森の生態系を守る、
という意味でも一役買いたいし。それは私の生業が家を造るということに尽き
るんだけどね。ちょっと偉そうかな(笑)。

しかし、期待も大きかったけど、建築屋だからこその懸念も山積していました。
この材で本当に僕らが自信をもってエンドユーザーにお薦めできるかというこ
とです。

磯部 目の前にある木がどこでどんな環境で育ったかということは、家を建てる上でと
ても重要です。地域独自性=地域性ってことなんですが、木は育ったところで
切って使うのが一番いいし、南向きの木は南向きに、東向きの木は東向きに使う
のがいい。昔の大工さん達は、この木は大黒柱に、この木は梁に、というふうに
伐採する前から予約していたといいます。

露崎 そんな貴重な木を爆煙乾燥という技術でゆっくりと熟成させ「練りのある木」
「木本来の持っている力」を引き出し艶をまとう。 手間も時間もかかるその出来
は、言葉では語りようがないほどです。

魅力あふれるこの千葉の木が素晴らしいこと はよくわかった。しかし、強度、
材質、品質、 安定的な供給、さらには流通の問題…。

その問題の多くは明石家さんという製材屋のプロが一つひとつ解決に導いてくれ
たのです。実は僕の家の構造は千葉県の杉、ヒノキで造られているという事実。
木材の酵素を殺してしまう高温乾燥ではなく、ゆっくりと低温で爆していく煙煙
乾燥を施した構造材。 正真正銘、この近くので採られた木です。そして地元木更
津市の職人が造り上げた家です。いやあ、好き過ぎて建ててしまったんですよ
(笑)。だから僕はこのプロジェクトのファン第1号。運命論者ではないけど、この
巡りあわせを感じずにはいられなかったんですよ。

磯部 いや確かに巡り合わせでしょう。では、構造から仕上げまで千葉県産の木を使った公共施設が建ち、一般住宅用まで建ち始めています。ここまでに至るには紅余曲折。途中、話が頓挫しそうになったり、わざわざこんな苦労話に首をつっこむなと身内からの忠告も聞こえてきた。工務店さんに話を聞いてもらおうと何十社出向いても、利益が出ないからと断られる日が続きました。

育った風土で伐採後も住宅として使われること、これは一番理に適っています。この取り組みは今後5年先、10年先も住宅供給が主たる目的であることに変わりありません。年間100棟だけの限定品!未来がなくなるほど切り過ぎないこと。だから、大量消費する大手ハウスメーカーさんではなく、年間20棟の家を建てる工務店さん5社 と、今後も継続可能なしくみを作り千葉の森を守り継承していきたいのです。未来に 残す木を大事に育むためにも…。

言うなれば私たちは「森を守り人々の暮らし、人を守ること」で環境を創造していきます。 工務店である藍舎さんは、その「森につながる暮らしを創造していきます。我々が木を植え、育て、切って、山から下ろすのに50年、 60年。そして、その木を地元の製材所に届け、 爆煙熱技術によって美しく強い材へと生まれ変わる。そして、その木は地元職人の手によって命が吹き込まれ、100年、200年という歳月を生きるのです。その後、廃材となりバイオマスとして活用され、さらには最後の役目を果たした後、山に還り、養分として山の力となっていく。3年後、100年後の自分たちが住む町の豊かで美しい山々を守るために、今私たちは愛情をこめて育んでいかなれればならないのです。

ヨーロッパには石の文化があるように、日本には木の文化があります。その静かに息づく趣ある木の文化を、家づくりを通して継承していきたいと思っています。そんな思いに耳を傾け、理解し、共感をいただけた明石家材 木店さんと地元工務店の藍舎さんの存在は本当に大きかった。しっかりと手を繋ぎ、この プロジェクトを推進していきたいです。

露崎 そうですね。そして、皆さんにもこの千葉県のバックアップによって生産者が明確な千葉県認証材で家を建てるプロジェクトに賛同ご参加いただき、地元の木のファンをになっていただきたいですね。

対談

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