こんにちは、設計部の永井です。

今回は、『防カビ』について実験をしてみました。
というのも、日本という島国は高温多湿な環境にあります。

その為、6月に訪れるジメジメ不快な梅雨の時期。

7月~9月頃の多湿を伴う蒸し暑さ。

寒い季節の室内結露。

それ湿気が原因となり、お風呂場や窓枠など気づいた頃にはカビだらけ…。

食品も痛んだりカビが付きやすく、食中毒の発生確率がグン!と上がってしまします。

その為、快適な住まいには調湿がとても大切だということに気がつきます。

 

そこで今回は、快適な住まいの大敵でもある『カビ』が生えにくい資材はどれか検証実験をしてみました。
検証資材は次の3種。

・弊社標準仕様の『漆喰』

・当社でよく扱う『杉材』

・アパートなどの室内に使用される一般的な『ビニールクロス』

それでは、防カビ対決開始です!

 

まずは、実験準備。

 

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写真に見える実験ブース。

実は社長の手作りです!

社長、頑張りました(笑)

 

(手作り実験キットの材料)

・クリアケース(亀飼育用ミニ水槽)
・無添加のパン

・プラコップ

・水

・各資材(漆喰・杉板・ビニールクロス)

 

上記材料のうちクリアケースを室内に見立てます。

そしてクリアケース内を施工します。

①左側・・・漆喰を塗布
②中央・・・内側を杉材貼り
③右側・・・ビニールクロス貼り

完了後それぞれのケースに、同量の水が入ったプラコップと無添加パンを仕込み、外気の影響が出ないように蓋をします。

3つの実験ブースを設置したのは漆喰壁の弊社モデルルーム。

更にこの写真には写っていませんが、ブースを設置したケースの横にもパンを置き、通常の室内放置で変化がでるか実験しました。

さぁこの後、パンはどう変化していくのでしょうか?

 

実験経過        2日目

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実験2日目。
1日目と変わらず、すべてのケースのパンにカビは生えておらず、変化がありません。
その後、2日、3日…と時間が経過していきましたが、変化は特に見られませんでした。

 

実験経過 10日目

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実験を始め10日が過ぎたころ、

ついに目視でわかる変化が現れました!!!

 

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①漆喰ケース(10日目)

無添加パンの下の方に、ぽちっと小さな黒色のカビ現れました。

 

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②杉板張りケース(10日目)

無添加パンに変化はなく、全くカビが生えていません。

 

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③ビニールクロスのケース(10日目)

写真を見て頂けるとわかるように、カビがあちらこちらに生えていました。

10日目にして突然変化。
やはりビニールクロスは化学繊維でできているせいか、カビが生えやすい環境になっているようです。

 

実験経過12日目

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実験12日目ともなると、パンの変化がはっきりと分かるようになってきました!

 

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①漆喰のケース(12日目)

上の方に白いカビが増えています。
理論上では漆喰はカビが生えないはずだったのですが…(汗)

 

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②杉板張りケース(12日目)

他のケースとは違ってカビは未だに生えていません!
実は杉の木には天然の殺菌作用があり、その効果がしっかり現れているようです。

 

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③ビニールクロスのケース(12日目)

残念な感じに、パン全体へカビが広がってしまっています…

 

 

実験まとめ

 

実験開始から20日程経過したパンの断面を見てみましょう。

 

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①漆喰のケース(20日目)

中までカビが生えてしまっています…
外側にも白と黒のカビがぽわぽわと生えています。

 

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③ビニールクロスのケース(20日目)

こちらは中も外も真っ黒になってしまっています。

化学繊維でできているビニールクロスは、通気性が全くなく、密閉された空間で温度も高かったことから、カビの発生には好条件になっていたようです。

 

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②杉板張りケース(20日目)

驚くことに目視で変化は見らず、パンがとってもきれいです!
中にも外にもカビが生えている様子はありません!

木の香り成分の中には、クロカビやアオカビ類、木材腐朽菌などの細菌に抵抗する力があるそうです。

※薬品や抗生物質ほどの強さはありませんが、穏やかに作用し、副作用が少ないことがメリットと言われています。

(http://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai_jyu/nioi_boudani.php 森林・林業学習館 参照)

 

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最初で最後の登場となりましたが、こちらは漆喰壁のモデルハウス室内に置いておいたパンです。
写真は12日経過した頃となりますが、パンにはカビが生えていませんでした。

 

カビやダニが生息できるのは、PH値が最大で11までだと言われています。
漆喰はPH値が13~14のアルカリ性です。
なので、強アルカリ性である漆喰がある環境では、理論上カビやダニは生息できないのです。

PH値(ペーハー値)酸性~中性~アルカリ性を示す数字。
真水を中性の7とし、1~6までを酸性、8以降がアルカリ性であることを示します。

 

今回の実験で漆喰のケースに入ったパンにカビが生えてしまったのは、漆喰の塗りの厚みが薄かったことに原因があると思われます。
また、ケースの中は通気性がなく密閉された空間での実験だったことも原因の一つと考えられます。

通常、内壁に塗る漆喰の厚みは約4mmくらいとされているため、漆喰の厚みが既定の半分くらいしかなかった『①漆喰ケース』では、PH値の維持が難しかったのかもしれません。

 

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またケースの外、漆喰壁の室内管理パンは風通しの良い場所に置いていたこと、内壁漆喰の塗り厚が通常の4mm程あったため、変化が出なかったと推測されます。

上記のことから、『内壁に漆喰塗りをしているとカビが生えない』という証拠になりました!

更には、漆喰と杉材の組み合わせもカビ対策に有効ということが感じて頂けたかと思います。

 

 

現在ビニールクロス内装のお家にお住いの皆様。

多湿時期の湿気管理等に気を付けて、室内換気などで上手にお過ごしください。

私も気を付けます・・・(汗)。

 

以上、『防カビ対決』結果報告でした。

 

 

この記事を書いた人

永井 英子

永井 英子

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